『絶対君主の時代』と『ルネサンス』を図書館で借りて読んだ。どちらも、
かなり古い「世界の歴史シリーズ」の中の本だ。これで、西洋史は
一通り読んだと思う。
『絶対君主の時代』は筆者が露骨に歴史上の人物をひいきしている
感じがした。ひいきの基準は、歴史の発展段階の進んだ方に味方するというもので、
封建領主と絶対君主では絶対君主の味方をし、絶対君主と市民革命派
では、市民革命派の味方をするようになっている。
これと関連しているのかどうかわからないが、次のような文章が出てくる。
こうした状態を打開しようとして、ホイッグ党のリーダーたちは、
国王と王弟の暗殺を計画した。だが、この陰謀は発覚し、
指導者はロンドン塔に送られ、はっきりした証拠もないのに処刑されてしまう。
なぜ、はっきりした証拠もないのに、
暗殺を計画したことが、筆者に分かるのだろうか。
『ルネサンス』は
ルネサンスの政治指導者を戦国武将にたとえる(アレクサンデル6世が織田信長に相当するというように)など、大雑把な表現が目立った。
筆者の講義を誰かが速記して本に仕上げたのではないかと思った。
イグナチウス・ロヨラに関する記述が面白かった。ロヨラは、元々スペインの軍人だったが、
戦争で傷を負い、入院した。入院生活は
暇だったので騎士物語を読もうとしたが、病院に置いていなかったので、
たまたま置いてあった
キリスト教関係の本を読んで、感激して聖職者になったという経歴の持ち主だ。
この人が、6人の同志とともに、イエズス会を結成して、世界中にカトリックの宣教師を派遣するようになる。有名なフランシスコ・ザビエルはこの6人の同志の中の一人だ。
|